第27回「ナトリウム」

塩100gのうち、約39gがナトリウムです。人体の60%は水でできているといいますが、その水は、細胞内の水と細胞外の水に分かれます。ナトリウムは細胞外液に多く存在して、浸透圧調整に働いています。ナトリウムが移動する方向に、細胞外の水は移動していくのです。尿や汗は、水分を放出しているというより、ナトリウムを放出しています。そのナトリウムに合わせて、水が一緒に出てくるのです。

血中のナトリウム濃度が急低下すると、虚脱感、疲労感、頭痛、食欲不振などだけでなく、意識障害、痙攣が生じます。ナトリウム濃度の急低下は下痢や嘔吐でも起こりますが、大量の発汗で起こりやすいと思うのがいいです。
寝たきりなどで低栄養状態になると、徐々に血中のナトリウム濃度は下がりますが、この場合は、意識障害や痙攣などは起こりません。

ナトリウムの摂り過ぎは、腎臓に負担をかけて、その結果血圧が上がるといわれています。しかし、大汗をかく時は、ナトリウムの補充は必須です。

夏の暑い季節に屋外で大量の発汗をする仕事をする人は、朝に梅干しを数個食べることをおすすめします。