第39回「アリインとアリシン」

ニンニクといえば、滋養強壮成分として認知されていますでしょうか。「元気を出すためにニンニクをとらなきゃ」「ニンニクで精力倍増」など、街中で聞かれます。
ニンニクのあの強烈な匂いは、アリシンの匂いですが、ニンニクそのものにはアリシンは存在せず、その前駆物質のアリインが存在します。
アリインは硫黄を含んでいますので、ある程度の匂いは発しますが、まだそれほど強烈な刺激臭ではありません。しかし、アリシンに変化すると、強烈な刺激臭を発します。
ニンニクがきざまれた時にアリインが反応を起こして、アリシンに変わるのです。だから、ニンニク丸ごとというのは、あまり強烈な匂いを発せず、きざんだ時に強烈に匂うのです。

  • アリシンは、体内では、ビタミンB1と結びついて、そのビタミンB1を長く体内にとどめます。ビタミンB1は、代謝促進、筋肉の疲労回復の役割を持ちますので、「元気を出すためにニンニクを」というのが、本能的な習慣になるのでしょう。
  • アリシンは、抗菌、防カビ作用を有します。また、胃粘膜への刺激作用はかなり強いです。だから、きざんだニンニクを生で多量に食べると、腸内細菌の異常、胃粘膜障害を引き起こすことがあります。しかし、逆に少量なら食中毒予防になります。

アリインは、ニンニク以外にも、ニラ、玉葱、長ネギにも多く含まれています。あの匂いの系統全部だな、というイメージでいいと思います。