第24回「核酸」

ビールをいつも飲んでいる人は、肌つやが良いように思えます。それは、ビールを飲むことにより多く摂取されるプリン体のおかげなのです。プリン体も数種類ありますが、そのうちのアデニンとグアニンは核酸の原料であり、人体のDNAを形成します。

1つの細胞が2つに分裂する時は、細胞核の中の遺伝子を作るDNAが2倍になります。つまり、細胞分裂時には、DNAの原料がたくさん必要になります。その原料の主体が核酸です。その核酸は、プリン体のうちのアデニン、グアニン、そして、それ以外のシトシン、チミン、ウラシルの5つを原料としてできています。

核酸が不足すると、細胞分裂することはできません。皮膚の細胞は盛んに細胞分裂して、新しい細胞が生まれては、やがて垢になって剥がれおちています。細胞分裂が盛んなほど、新しい細胞が皮膚の表面に並び、若々しいつややかな肌になるのです。ビールを飲むと核酸原料が大量に補給されるので、肌がつややかになるのです。

核酸は細胞の核の中に存在しますので、一般の食品では、レバー、白子、肉類に多く含まれます。また、内臓類にも多いので、もつ料理や小魚(じゃこ級)にも多く含まれます。

核酸は肝臓で自力合成できますが、食品で多く補給した方が、細胞分裂が容易に行われるようになり、若々しい姿を維持できます。成長期の子供は要注意です。食べる量が少ない子供には、核酸を補給してあげれば、骨端線での細胞分裂は促進されます。

ただし、核酸の摂りすぎは、尿酸値の上昇を招きます。中年以後の男性で、尿酸が高いといわれている人は、摂取量を調節しなければいけません。