第25回「アントシアニン」

アントシアニンは、植物に赤、青、紫の色をもたらす色素です。特に、ブルーベリーに多く含まれており、「目に効く」といわれています。目の奥の網膜細胞は、朝から晩まで激しく化学反応を起こしています。この化学反応のおかげで、目の前の景色を見ることができるのです。

目の前の景色の光刺激を電気信号に変えて脳に伝える役割を持つのが、網膜にびっしりと並んでいる視細胞です。視細胞は、杆体(かんたい)細胞と錐体細胞に分けられます。
杆体細胞は、暗所でモノクロの識別をします。錐体細胞は、明所で色の識別をすることができます。この二つの細胞には、視物質といわれる成分が蓄えられています。
その視物質は、オプシンという蛋白質にレチナールが結合した物質です。この物質が不足すると、「目が見えにくい」「暗所で見えにくい」「眼前の景色がはっきりしない」「景色がぼやけている」などの現象が生まれます。パソコン時代となった現代は、目が疲れて、そのような症状を感じる人が増えています。レチナールは、ビタミンAの一種です。ビタミンAの不足で、夜盲症が発症することはよく知られています。

さて、レチナールには、Z体とE体があります。景色を認識すると、Z体は化学反応を起こして景色を認識して脳に伝えると同時に、E体に代わります。このE体は、またZ体に復元されて働きますが、その復元を促すといわれているのがアントシアニンです。

だから、アントシアニンは目に良いといわれるのです。