第34回「コラーゲン」
第4栄養素の本シリーズでは、三大栄養素に次ぐ栄養成分をまとめています。コラーゲンは、アミノ酸がつながったタンパク質であり、厳密な定義による第4栄養素ではありません。しかし、日常生活に浸透した用語となっていますので、広義の第4栄養素と定義して、解説させていただきます。
コラーゲンは、アミノ酸がつながった細い紐状の構造をしています。紐になっていますので、それらを縫い合わせることによって布状になることもできます。身体を覆う皮膚の中心部分である真皮は、このコラーゲンが布状に紡がれてできています。
ウシやブタ、ヒツジなどの家畜の真皮は、ハンドバッグやベルトなどの革製品へと加工されます。だから、皮製品はアミノ酸でできていることになります。
真皮だけでなく、人体を構成するタンパク質のうち、靭帯、腱、骨、軟骨などは、コラーゲンでできています。人体のタンパク質の約30%はコラーゲンです。
コラーゲンは、アミノ酸の細長い紐の1本ずつが、3本重なってらせん構造を作って形状的に丈夫になっています。このコラーゲンが、真皮、腱、骨、軟骨などの原料になっているのです。アミノ酸成分としては、グリシンが3分の1、プロリンが5分の1で、この両者の割合がやたらと多いのが特徴です。
コラーゲンを摂取すると、腸の中で完全に分解されて、ばらばらのアミノ酸になって吸収されます。だから、コラーゲンを摂取するというのは、グリシンとプロリンをたくさん摂取していることになります。この両者は体内に入ったら、真皮、腱、靭帯、骨、軟骨の原料となります。体内で原料不足になっている人が経口摂取で補えば、一定の効果が現れるのは理解できると思います。