第13回「カルコン」
植物に広く含まれる色素成分は、フラボノイドといわれます。このフラボノイドには4,000以上の種類が知られていますが、カルコンはその一種です。
このカルコンは、日常生活的には明日葉に多く含まれていることが知られています。明日葉の葉を割いた時に滲み出てくるやや粘り気のある黄色い液に多く含まれているのです。
もともとフラボノイドの一種ですから、強い抗酸化作用を持っています。植物は紫外線から身を守るために、このフラボノイドを細胞内で合成しているのです。抗酸化作用は細胞の突然変異の防止に関係します。だから、フラボノイドの一群は、ガン予防に関係あるとされていたり、また、免疫力を高める作用に注目されています。
そのフラボノイドの一種であるカルコンは、図のような構造骨格を有しています。
厳密な作用メカニズムは解明されていませんが、もともとむくみの改善に効果があるといわれていたり、老廃物の排出に役立つともいわれてきました。実際に、カルコンを投与しながらエステティックの施術を行うと、部分やせを実現することができます。
さて、このカルコン。最近は、血中のアディポネクチンを増加させるということで、さらなる注目を浴びています。アディポネクチンというのは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質で、「脳細胞の糖代謝を高め、脳の機能を衰えさせない」ということで、研究が急ピッチで進んでおります。「90歳を超えてもまったくボケないで頭脳明晰の人のほとんどは、アディポネクチンが高かった」という研究データもあります。脂肪細胞から分泌されるのですが、内臓脂肪が増えると、逆に低下してしまいます。
血中のアディポネクチンを高い数値で維持するには、体重管理も重要ですが、カルコンを経口摂取するという単純な方法もありますので、覚えておいてください。