第6回「ビタミンB12」
ビタミンB12は、ビタミンB群の一種であり、ミネラルの一種であるコバルトを含んでいます。そして、ビタミンB12を多く含む錠剤は、処方箋医薬品になっています。身体への作用が大きいからです。DNAの合成、アミノ酸やタンパク質の合成に大きく関わっており、細胞分裂の際には必須の成分となります。また、神経細胞の脂質膜の合成や修復にも関わっていますので、神経障害の際の治療薬としても利用されます。
細胞分裂に関わるということは、精子の合成能力に関係します。男性の精子濃度が薄いために夫婦が不妊になっている場合、その夫への治療薬として、ビタミンB12を投与することもあります。
このビタミン12は、肝臓の中にかなりの量のストックがありますので、不足する人はあまりいませんが、胃の手術をした場合は、ビタミンB12の吸収が低下することがありますので要注意です。尚、不足した場合は、舌炎や全身倦怠感、貧血、睡眠失調だけでなく、物忘れ、集中力の低下、手足のしびれをもたらすこともあります。
健常人に多く投与した場合、動脈硬化予防、集中力や記憶力の向上、性能力の回復がみられます。また、子供に投与すると、背の伸び率が高まります。
動脈硬化の予防に関しては、動脈硬化促進因子であるホモシステインを低下させる作用が関与しています。集中力や記憶力の向上は、神経細胞の合成修復、あるいは、記憶の本体であるシナプスの形成促進が関与しています。性能力の回復、背の伸びに関しては、細胞分裂が関与しています。作用のメカニズムとして、神経細胞の合成修復と細胞分裂促進を覚えておけばいいでしょう。
食品では、レバーや貝類、海苔に多く含まれている成分です。