第40回「ルチン」

「蕎麦湯は健康にいい」といわれます。その蕎麦湯に多く含まれる健康成分が、ルチンです。ルチンは蕎麦の実に含まれていますが、水溶性ですので、水や湯の中に溶け出します。だから、蕎麦湯に多く含まれるのです。

机の角などに軽くぶつけただけで、「青タン」ができてしまう人がいます。毛細血管が弱いのです。軽い衝撃でも毛細血管が破れてしまい、内出血を起こします。それが青タンです。
ルチンは、その毛細血管を強化します。いろいろと研究されており、その他の健康効果も語られていますが、常用量で効果を期待できるのは、毛細血管の強化だけのように思えます。

ところで、ルチンは、昔はビタミンPの一種といわれていましたが、今はビタミン様物質といわれます。
「ビタミン」の定義は、「生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、その生物の体内で十分な量が合成できないもので、炭水化物、タンパク質、脂質以外の有機化合物の総称」です。ルチンは有機化合物ですが、人の生存・生育に必須というわけではありませんので、ビタミンPからビタミン様物質に変更されたものです。

ルチンは、韃靼蕎麦に多く含まれており、普通のそばの約100倍以上です。蕎麦にはこのルチンが含有されていることが、他の麺類に対して優位といえるでしょう。