第4回「β(ベータ)グルカン 」
「炭水化物は分解されると、糖になる」といわれています。つまり、糖が多数つながって炭水化物になっているのです。糖にはいくつかの種類がありますが、メインは、「ブドウ糖」です。ブドウ糖は英語で、「グルコース」といいます。つまり、グルコースが多数つながって、炭水化物になるのです。
ここでもう少し詳しく話すと、厳密には、「α(アルファ)結合」というつながり方で、炭水化物になるのです。
また、β(ベータ)結合というつながり方もあります。このつながり方をすると、人体は、腸内で自力消化することができません。消化されずに、便として排出されます。α結合の場合は自力消化できるので、吸収されて人体の栄養源になるのです。
「α結合→吸収される、β結合→吸収されない」ということです。
糖がβ結合して一直線になったものが、繊維質です。植物の細胞壁に多く含まれており、通常は、セルロースといわれます。β結合の中でも、一直線になるために厳密には、β1-4結合をしなければいけません。つまり、植物繊維というのは、そのメインが「セルロース」であって、これは、グルコースがβ1-4結合したものなのです。
グルコースは、β1-3結合というつながり方をすることもあります。この場合は一直線にならず、くねくねと曲がりくねります。一般的に「βグルカン」といわれるのは、このグルコースがβ1-3結合したもののことです。β結合ですから、腸からは吸収されません。
しかし、βグルカンは、多くの研究で腸内の免疫系に作用して、身体全体の免疫力を高める刺激をすることが知られています。つまり、βグルカンは、腸内を通過しながら、人体の免疫力向上に役立つのです。特に、口内炎や歯周病の予防と治療に効果的です。ガンに対するほどの効果があるかどうかは不明です。
βグルカンは吸収されませんが、人体に害を与えることはなく、腸内から免疫力向上の刺激を与えてくれるので、紛れもなく、人体に好影響を与える第4栄養素と位置付けることができるのです。