第36回「サラシアレティキュラータ」
サラシアレティキュラータ(略してサラシア)は、日常の食べ物の成分ではありません。しかし、健康への有用性がクローズアップされていますので、ここで取り上げます。
サラシアは、スリランカやインド原産のつる性の植物です。その根に含まれる成分は、インド伝承医学においては、肥満や糖尿病の治療に効果があるとされています。
根に含まれるサラシノールやコタラノールは、小腸壁で二糖類を単糖類へと分解する酵素「α-グルコシダーゼ」の働きを阻害します。その結果、食後の血糖値の上昇が緩やかになり、血糖スパイクが抑制されるので、糖尿病治療、肥満治療に一定の効果を出します。
「血糖スパイクを抑制する」作用は、通常は医薬品である「アカルボース」の作用です。しかし、インド伝承医学上、安全に利用されていたので、サラシアは医薬品と認定されず、一般にお茶などの形態で利用できるようになりました。
長年、民間で安全に使用されていたので、医薬品に匹敵する薬理効果があるのに一般のサプリメントなどで販売することができる、というものの代表格のような成分です。