第23回「プラセンタ」

豚の胎盤をそのまま食べる人はいません。ですから、「栄養素」とするには、やや違和感があります。しかし、経験的にブタの胎盤抽出物は、人体にかなりの機能を発揮します。
胎盤をはさんで、母体と受精卵がつながっています。受精卵は精子と卵子が合体した一つの細胞に過ぎません。しかし、その細胞が次々と細胞分裂して、次に、分裂した細胞が、それぞれの臓器へと育ち、ついに人体になります。それをサポートし続けるのが胎盤の役割です。胎盤には、細胞を分化させるための成長因子があるのです。その成長因子を抽出したのが、胎盤抽出物、つまり、胎盤エキスです。

ヒトの胎盤抽出物(エキス)は、医薬品の成分になっています。ブタの胎盤エキスは、サプリメント成分として利用されます。ブタの胎盤抽出物の作用も、成長因子としての作用は、ヒトの胎盤抽出物に劣るものではありません。
血液の中には、赤血球、白血球に混ざって、幹細胞という細胞があります。この幹細胞は、人体のあらゆる細胞に変身できるのです。このような細胞は、万能細胞といわれます。

骨折すると幹細胞は、骨折面にびっしりと現れて骨の細胞に変身します。肝臓が弱ると、肝臓に入り込んで肝臓の細胞に変身します。怪我をすると、怪我の部位に幹細胞が現れて、皮膚や腱の細胞に変身します。
人体の弱った部位やトラブルを起こした部位に幹細胞は集まって、そこを修復するのです。胎盤抽出エキスは、その肝細胞を活性化させます。

胎盤抽出エキスが見える効果として役立つのは、肌への効果です。加齢に伴って衰えた表皮の細胞の隙間に、幹細胞が入り込み、新しい表皮細胞に変身します。だから、表皮全体が新しい細胞に置き換わり、容姿が回復したようになるのです。