第43回「クルクミン」

クルクミンは、ウコンに含まれる黄色の色素で、漬け物や栗のシロップ漬けや和菓子などの食品の着色剤として用いられています。
ウコンはショウガ科の多年草で、インドを主な産地としますが、日本では沖縄で栽培されています。ウコンは漢方薬の原料として用いられ、伝統的に、肝機能を改善し、胆汁分泌を活発にするといわれています。
そのウコンの主たる健康成分がクルクミンですので、その健康効果に関しては、様々な観点から研究され、いろいろな可能性があげられています。

  • 「エイコサノイド合成を阻害し、抗炎症効果がある」
  • 「フリーラジカルを補足するので、脂質の過酸化、活性酸素を減らし、DNA障害を防ぐ」
  • 「ガン細胞にアポトーシス(自己消滅)を促す」
  • 「脳におけるβアミロイドの蓄積を減らし、アルツハイマー病を予防する」

などの研究結果です。しかし、どれも「可能性がある」の程度で、完全立証はされていません。一般的には肝臓に効果があるとされていますが、それも立証不十分です。

しかし、かなり大量にとっても、人体に害になることはないようです。なぜなら、腸からあまり吸収されないからです。腸からしっかりと吸収されれば、前記したような健康効果を期待することができるかもしれません。
腸からの吸収の程度は人それぞれですので、ウコンのドリンク剤やサプリメントに効果を感じて愛用している人は、副作用、弊害はほとんど考えなくてよいので、愛用を続けてほしいものです。

ただし、ウコンの根には、鉄分が多く含まれています。肝硬変など鉄の過剰蓄積が問題になる病気の人は、クルクミンではなく、その他の含有成分のことを考えて、摂取を控えた方がいいかもしれません。