第42回「アスタキサンチン」
生きているカニの甲羅は、黒いような青っぽいような灰色のような色をしています。このカニの甲羅を茹でると、パッと赤い色に変わります。エビも同様で、茹でると赤い色に変わります。この赤い色を呈する成分が、アスタキサンチンです。
エビを食べる真鯛は、体表面がピンク色です。エビのアスタキサンチンが、体表面に現れるのです。
アスタキサンチンは、β-カロチンとよく似た構造をしていますが、抗酸化力がやたらと強いのが特徴です。健康管理の世界では、「抗酸化力」といえば、「身体の各部分の細胞レベルでの老化の防止」や「突然変異の防止をする成分」と覚えればいいです。
アスタキサンチンは、ビタミンEの1,000倍の抗酸化力がありますので、ジェルにして体表面に塗ると、シミなどを予防する効果があるのではないかと期待されており、化粧品業界でも利用されています。
また、鮭の身の色は、アスタキサンチンにより赤色を呈しています。鮭は生まれた川から北方の海を長距離巡ってまた生まれた川に戻ってくるので、アスタキサンチンには、筋肉を劣化させない効果があるのではないかと期待されています。スポーツ選手は、筋肉の疲労回復効果を期待して、アスタキサンチンを利用してみるのもいいと思います。